フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜<第16話>

 

【連載小説】フェイク・ラブ 第四章〜Iori〜＜第16話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
『第15話～』
ダイニングテーブルに肘をついてあくびをすると、思いのほか大きな音が出て、流しでコップを洗っていたお母さんが怪訝な顔で振り返った。
野々花は、くまさんハンバーグを食べてお腹がいっぱいになると、早くも眠ってしまった。まだ7時を回ったばかりなのに。やっぱり昨夜眠れなかったのが堪えているらしい。
「若い娘がそんな大きなあくびして、色気もそっけもないわね」
「もうあんまり若くないし」
「24歳じゃないの、十分若いわよ。その荒れた肌にクマじゃあ、34歳に見えそうだけどね」

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