泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第31話>
【連載小説】泡のように消えていく…第二章〜Urara〜<第31話>
※連載小説は毎日20時配信です。
<第30話より>
電話の後、適当なメロディをつけて鼻歌を歌いながら支度をした。
近所の産婦人科に行こうとして、ちょっと考えて、いつも性病の検査をしてもらっているローズガーデンの近くの病院まで足を延ばす。
「あなたの場合、妊娠の初期症状が出づらくて、気づくのが遅かったのね」
小学校の頃の保健室の先生に似ている丸いメガネをした女医さんは、
妊娠が間違いないことを告げた後難しい顔で言った。続く言葉を遮るように、宣言する。
「大丈夫です。わたし、産みます」
「産むって。えっと、あなた……あぁ、未成年ではないのね」
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