フェイク・ラブ 第三章〜chiyuki〜<第28話>

 

【連載小説】フェイク・ラブ 第三章〜chiyuki〜＜第28話＞
※連載小説は毎日20時配信です。
　
『第27話～』
「ずっと風俗一本？」
「いえ、普通の仕事もしたことあります。今はドリームガールだけだけど……　この店は2年ぐらいかな」
「ふーん。なんでそんなに長く風俗やってるの？　もしかして借金ある？」
「そうじゃないけど。お金、なくって」
「親は頼れない？」
「家出同然で、東京出てきちゃったから」
結局東京行きを認めてもらえなかったわたしは、内緒で東京の大学に願書を出した。
長谷部くんと同じ第一志望の大学は落ちたけれど、第二志望の短大には合格し、卒業式の後こっそり家を出た。
以来、家族とは一切連絡を取っていない。
「へー、複雑な事情があるみたいだね」
「そうでもないですよ」
ここで突っ込んだことを聞いてこないのは、わたしに関心がない証拠だ。

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