フェイク・ラブ 第二章〜Nanako〜<第35話>
【連載小説】フェイク・ラブ 第二章〜Nanako〜<第35話>
※連載小説は毎日20時配信です。
『第34話~』
あたしは、胸の中に生じた暗い穴が無限大に広がっていくような感覚を振り払いたくて、速足でトイレを出た。
トイレの前にはさらに大きな人だかりができている。
この前まではあたしを可愛がってくれたおじさん社員も、いつか食事に誘ってきた若い男性社員も、今はあたしと目を合わそうとしない。
一度だけ彼らを睨みつけてから歩き出す。
どこへ向かって? どこにも目的地はない。
もうこの会社のどこにも、あたしが居られるところはない。
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