フェイク・ラブ 第二章〜Nanako〜<第44話>
【連載小説】フェイク・ラブ 第二章〜Nanako〜<第44話>
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『第43話~』
「ったく信じられねぇな、俺と付き合った時には、もう風俗嬢だったんだろう!?
何がレナだよ、ナンバーワンだよ、ちっとも気づかない俺見て、こいつバカだなって笑ってやがったな!!」
全身の痛みに耐えられず、床に蹲ると、髪の毛を掴んで顔を持ち上げられ、右から左から平手を浴びせられる。
このままじゃ殺される。
理性じゃなくて本能が警告して、床に転がってるウイスキーの瓶を手に取った。
一気に持ち上げ、振り下ろした。
ずん、とたしかにヒットした感覚がある。低いうめき声がした。
顎を抑えて悶絶する快晴を見ないようにして、バッグとコートをひっつかみ、部屋を出た。
快晴は追いかけてこない、でもこれから追ってくるかもしれない。
エレベーターがたまたま同じ階に停まっていて、普段はあんまり信じてない神様に心から感謝した。
『閉』ボタンを押して、ようやく安心感が体のすみずみまで染みわたっていく。
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